メディアドクターとは、医学記事を書く際に、その質を向上させようとする活動です。医療の専門家とメディア関係者とがチームを組んで、社会に発信された医療・保健記事を臨床疫学などの視点から“採点”、“評価”し、その結果をインターネット上に公表するというユニークな活動で、オーストラリアに始まり、カナダ、米国、ドイツでも実施されているものです。
日本における活動では、単に記事の内容について論評したり批判したりするということでなく「見出しの裏側“Behind the headline”」にある背景や、報道事例をめぐって現状の到達点と課題、研究成果の意義と限界、報道の影響や改善点、患者・市民からみた医療・健康報道の望ましいあり方、などについて、定期的に開催する定例会においてさまざまな立場からなる参加者により議論を行うことが、海外にはない特色といえます。
評価のねらいは、記事のABC (Accuracy: 正確さ、Balance: バランス、Completeness: 完全さ) を高めることにあります。具体的に現在、実施しているメディアドクターでは、次の10項目を評価の指標として使用しています。
Media Doctor was launched in 2004 in Australia with the aim of providing an objective analysis of the strengths and weakness of the health news reporting in the Australian media.
It also seeks to increase the completeness of health stories and, subsequently, health literacy among journalists and media consumers.
Media Doctor Japan was launched in 2007, and we aim to improve the health news reporting by promoting evidence-based and balanced information. We discuss on healthcare newspapers, TVs, Web pages in Japan using 10 items that we think healthcare news should include.
メディアドクター指標
Review Criteria of Media Doctor Japan, 2018
#1 利用可能性 (Availablity)
#2 新規性 (Novelty)
#3 代替性 (Alternatives)
#4 あおり・病気づくり
(Disease mongering)
#5 科学的根拠 (Evidence)
#6 効果の定量化
(Quantification of Benefits)
#7 弊害 (Harms)
#8 コスト (Cost)
#9 情報源と利益相反
(Sources of Information
/Conflict of Interest)
#10 見出しの適切性 (Headline)